一時帰国道

去年のCFAで「ペーパーテストのプロ」から事実上引退して以降、自分にはこれといった特技がなくなってしまったかと思ったが、ここにきて「一時帰国のプロ」になりつつある。

本日は、成田では空港第2ビル駅到着から入管通過まで8分、マニラでは空港のゲート到着から税関通過まで5分、自宅到着まで23分の記録を打ち立てた。
もちろん、空いている日でなければどのみち実現不可能だし、走るなどすればまだ短縮可能とはいえ、「一般の客」としてのルールと理性を保ちながら、経験と段取りで到達できる範囲としてはかなりハイレベルになってきた感がある。例えば、マニラの空港ではどのタイミングで運転手を駐車場から呼び出すテキストメッセージを送ればよいか、まで考えている。自分でも病気だと思う。
今後は、時間との競争をするためにどこまでリスクを負うか、について考えなければならない。例えば、日本を出発する際、成田空港への到着はフライト出発の90分前くらい、とかなり余裕を持った成田エクスプレスをいつも利用している。このため、成田でかなり時間が無駄になる。しかし、エコノミークラスの場合は搭乗券受け取りが出発60分前までと(一応は)決まっており、これよりも一本後の成田エクスプレスにすると、空港第2ビル到着が出発70分前になるので、電車の遅延があると致命的となる。事実、今日は人身事故の影響で20分以上NEXが遅れたため、一本後だった場合にはアウトの公算が大であった。
一発勝負ならば取れないリスクではないが、年間10回15回も同じ列車を利用するとなると、今日のように電車が遅延する事態に遭遇する可能性も自ずと高くなる。自らを無駄にリスクに晒すのは、空港で無駄な時間を過ごすのと同じくらいプロとして避けなければならないことだ。そもそも、単に航空会社にゴリ押ししてギリギリにチェックインさせてもらい、アグレッシブに時間を短縮すればプロだというわけではなく(これが許されるのは不測の事態で空港への到着が遅れた場合だけであろう)、あくまでも航空会社に迷惑をかけることなく、ロープロファイルを保ちながら素人とは一線も二線も画した効率的移動を実現することこそがプロの技ではないだろうか?そのような矜持を持って、今後も一時帰国道をさらに深めて参りたいと思う所存である。
時間短縮と直接関係ない、移動を快適にするためのテクや自分ルールについては、いずれ稿を改めて書きたいと思う。

なんか

Twitterを使うまでもなく、mixiでつぶやいてるだけであんまりブログに書くことがなくなってる俺・・・どんだけ語るべき内容がないのか悲しくなるな。
でも、mixi使って、Facebook使って、Skypeでほぼ毎日家族に近況報告して、ひろせとほぼ毎日チャットしてたら、出涸らしにもなるわな。これでバリバリとブログまで更新してたら、世捨て人か物書きかっちゅうの。よく考えたら自分、一応勤め人なんだし。
というわけで、特に書くことはない。幹浩はハイハイを始めたようです。

Political Graphic "Number"

脳内で創刊します。
「特集:参議院選挙プレビュー」

マニフェストを比較するとかそういう野暮なことはしません。Numberですから。
※獲得議席数予測とかいう野暮なこともしません。Numberですから。
※政治家をかっこよく撮ってどうすんだとかいうツッコミは受け付けません。Numberですから。

八日目の蝉

最終回の放送からすでに4日経過したが、書きかけのエントリを放置していたらどうにもモヤモヤが解消されないので、書き上げてしまうことにする。


一ヶ月間にわたって痛めつけられてきたこのドラマ。女性はこれまともに見られるんだろうか。男の自分が観た後に毎回ぼろぼろになってしまうくらいだから。
このドラマの何が「イイ」のかを説明するのはなかなか難しい。二歩くらい間違えば、民放の昼ドラと変わらない、ただのうざいドロドロドラマである。不倫相手の男に中絶させられて子供を産めない体になり、男と本妻の間に産まれた子を発作的に攫って逃げて自分の子供として育てる。言うまでもなく犯罪である上に、やってることがキチガイである。さらに、モノローグで明らかなように、捕まって服役する段になっても、一人称は「お母さん」であり、子供のことは「薫」という自分が勝手につけた名前で呼んでいる。全きキチガイというほかない。にも関わらず、民放うざドラのように鼻であしらうことができず、毎回終わる頃には疲れてボロボロ。野々宮希和子というこのアンチヒロインにどうして感情移入してしまうのか。できてしまうのか。
それは、このドラマが、親という生き物がおしなべて抱えている狂気や、親子関係の不条理といった、古くさいが永遠に身近であるがゆえに難しいテーマを静かに、しかし鮮やかに描いているからだと思う。要は、キチガイに感情移入できるのは自分もキチガイだからなのだ。親はそもそもキチガイである上、子を喪った親は輪をかけてキチガイである。希和子が薫の母親になることは、自分の子を喪ったこととセットになっている。このドラマが疲れるのは(と同時に優れているのは)、色々な形で子供や親子関係を喪失した人間達が希和子の周りに現れ、そんな中で希和子の場合には、決して埋まることのない彼女の絶望が、攫った子である「薫の母親になる」ということで(極めて歪んだ形であるにも関わらず)埋まっているように見えてしまうからであり、そのように「見えてしまう」自分の中のキチガイぶりとも向き合わなければならなくなるからなのだ。どよーん。
ことあるごとに言っているのでしつこいと思われるかもしれないが、親が子供を産むのではない。子供が親を「親」にするのだ。希和子は子供を産めない体になったが、薫が彼女を母親にさせてくれた。そして、ひとたび親になってしまった人間は、親でない生き物には二度と戻れない。どんな理不尽な理由で「親子」になったのだとしても。そして、どんな理由で子を喪ったのだとしても。ほんと、いいドラマだけど重たいです。




以下雑感。

檀れいのベタベタな演技がイヤだという人もいるのだろうが、これはこれでよかったと思う。だってキチガイなんだから、この役。小説原作の強みか浅野妙子のセンスか、希和子のモノローグは毎回本当に美しくかつ強烈。
周りのキャストも超豪華なので締まっている(その分、成長した薫=恵理菜が中心となる現代編はどうしてもちょっと軽い。北乃きいも頑張ってはいたが・・・)。坂井真紀もよかったなあ。「亮太が好きなんは、チョココロネや!!」は心に残る名台詞。

タイーホされるときのあの一言は、作者よく思いついたなぁ。例えば自分がもし今、死の床に就いて、喜実子が見舞いにきてくれたら、多分、ただ「今日は幼稚園で何して遊んだ?」って聞くんだろうな。それが最後の会話になると知っていたとしても。あの一言も、親という生き物のキチガイぶりが非常によくあらわれた名台詞だと思う。

生活に追われる

気が付いたら一ヶ月くらい空いてしまった。
日々は順調にして低調。仕事も自炊もしてるけど、こんなに勉強しないのはいつ以来かなー。去年の今頃は喜実子に手こずらされながらも結構CFAの勉強とかしてたっちゅうに・・・って、どんだけお受験戦士体質やねん。目標となる試験がないと勉強しないのか。鬱。
一人でいる間にあれこれまとまってやろうと思ってたんだけどなー。勉強どころか、本すら読んでない。Conrad「Nostromo」→挫折(格調高いけど読みにくくて話が先に進まない。背伸びせずにHeart of Darknessから始めるべきだった)。Amartya Sen「The Idea of Justice」→放置(腰を据えて読まないとどう考えても読了できない)。で、今はHellerの「Catch-22」を読んでいるわけだが、これもどうなるかね。最近読み通したのって、The Great Gatsbyだけでねえか(名作だが、200ページ足らずかつ英語平易)。回復不能になる前に知的生活を立て直したい。
以上、オチなし内容なし。とりあえずなんか書いてみた。

國松長官狙撃事件再考

國松長官狙撃事件が時効を迎えた。
時効にも関わらず「オウムの組織的犯行」と警察が事実上断定したことが話題になっているようだが、メディアで流れている情報を総合するに、この事件の真犯人はやはり中村泰なのではないかとbroadmindは思う。
現場付近でどれだけオウム関係者が目撃されようが、謀議の痕跡があろうがそれらは状況証拠でしかなく、「何者かがホローポイント弾を使ってパイソンで國松長官を正確に狙撃し、瀕死の重傷を負わせた」というこの殺人未遂事件そのものの物証面からの立証があまりにも弱いからである。物証がある限りは、あくまでも物証から攻めるのが捜査の基本であるべきだというのがbroadmindの考えで、それはそのように徹底されていないと、社会情勢や世の中の「空気」によって組織犯罪がでっち上げられる危険が常にあるからである。だから、予防的な情報収集のためには公安の役割は重要だけれども、いざ暴力事件が実際に発生した場合には捜査において公安が主導権を握るのは危険だと思う。


話を國松事件に戻すと、ではこの事件で見え隠れするオウムの影は一体何なのかというと、私の見立てはこうだ。オウムはサリン等各種事件の強制捜査が行われる中で、攪乱の機会をうかがって國松長官を「監視」していた。そして、期せずして狙撃現場を目撃することになった。こういうことではないか。
オウム側にもテロの計画はあったのかもしれないし、なかったのかもしれない。とにかく、オウムには少なくともその日に國松を襲撃する計画は何もなかった。あくまで國松の情報を収集している段階だ。
ところが、そこへひょっこり現れた中村が國松を狙撃した。
その後の動きは、予想外の國松狙撃を目の当たりにしたオウムの「狼狽」と「便乗」と思われる。
まず驚いたのは岐部をはじめとする現場付近にいたオウムの幹部である。自分はオウム関係者として面が割れている―いくらやってないと言っても、こんなところで身柄を押さえられたら犯人扱いに決まってる。とりあえずこの場は逃げるしかない―自転車で走り去る男や現場付近を車で通過した教団幹部はこうして目撃された。
しかも、國松が狙撃されたことはその場で知っているから、発表前にオウムがこれを把握していたこととも辻褄が合う。事件直後に報道機関に電話をかけたのがオウムの砂押光朗であることはほぼ特定されている。これをもってオウムによる犯行を確実視する向きもあるが、テロにおける犯行声明というのはそれ自体が捜査の撹乱を目的としている場合もあり、ニセの犯行声明などザラであることを考慮する必要がある(しかも、厳密に言えば砂押の電話は犯行声明ではない)。
当時の状況からすればどのみちオウムの関与が疑われることは確実な中で、彼らの最大の目的は「捜査を攪乱すること」であって必ずしも「自分達への疑いを晴らすこと」ではない。だとすれば、國松の狙撃を知ったオウムがこれに「便乗」して電話をかけたということは大いに考えられる。國松の監視に早川紀代秀建設省長官)が関わっていていち早く狙撃の情報をキャッチしていれば、早川がこのような判断をして建設省の部下である砂押に電話させるまでに一時間という時間があれば十分だし、電話をした砂押本人が実際には詳しい状況を把握していなかったとしても不思議はない。
なお、小杉は恐らく國松の監視において大きな役割を果たし、ひょっとすると彼も事件を目撃もしたのかもしれない。しかし元来が思い込みの激しい性格な上、洗脳や度重なる尋問の影響もあって記憶が混乱し、すでに自分でも何が真の記憶かわかっていない状態であろう。
とにかく、警察も世間も「オウムに間違いなし」という印象を持ったわけで、はたして「捜査の攪乱」という目的は大いに達成された。


さて、一方の「真犯人」中村。彼は「非常に頭の良いキチガイ」である。狙撃後は要領よく現場を離れ、犯行に使った拳銃は銀行の貸し金庫に隠した(開扉記録あり)。しかし、動機に関しては常人が推し量れるものかどうかはわかりかねる。警察権力に対する怨恨感情が非常に強かった彼であるから、ある意味で警察庁長官狙撃は常日頃からいつでも狙っていたのかもしれない。オウム捜査で緊迫している状況の下、オウム信徒に対する別件逮捕や微罪による連行が横行していることが警察への更なる怒りに火をつけたのかもしれないし、「テロリストとしての美学」があるらしい中村にとっては、無差別テロを繰り返すオウムに対する怒りもあったかもしれない。
ついでに言えば、中村も事件前に國松を監視していた痕跡があり、ひょっとすると中村はオウムも國松を監視していたことをも把握していた可能性だってあるのだ。となると、「テロはこうやってやるんだ!」とオウムに見せつけつつ、疑いはそのオウムに向けさせて自分は闇の中へ、という「ゴルゴ気分」があっても不思議はないし、そうした姿勢は彼の手記からも読み取れる。彼は手記の中で國松狙撃犯を絶賛しつつ、「オウムがやった」とも「自分がやっていない」とも断言していないのだ。一方で、自己顕示欲が強いながらも、証拠が挙がってもいない事件を「自分がやった」とすすんで言うタイプの犯罪者でもない。足がつかない程度に犯行をほのめかした上で、つまり警察関係者であれば彼の犯行だと確信する程度の情報を与えた上で、証拠がなければ墓の中まで持って行って警察をあざ笑う「キャッチミーイフユーキャン」なテロリストなのである。


そして実際、中村の関与が疑われながら立件できていない事件は数多い。その中には八王子のスーパー「ナンペイ」の三女性射殺事件も含まれる。
警察にしてみれば「中村が犯人と思われますが、証拠が足りなくて立件できません」などと大っぴらに言えるはずがない。パンドラの箱を開けるようなものだ。週刊誌の憶測記事程度で済んでいたものが、「警察はこの老人一人相手に連戦連敗でした」と世間に認めるようなものである。
どうせ同じ立件できないで恥をかくなら、オウムだということにしておいた方がいい。その構図自体にはもちろん誰も文句を言わないだろう。小杉には再犯の可能性はないし、実行犯の可能性がある端本はどっちみち死刑確実だ。「実行犯特定には至らなかったが、オウムに決まってる」・・・警察の面子を一番保てる「絵」はこれだ。


以上、妄想にお付き合い頂きありがとうございました。しかし有田芳生が同じ見解だと知ってちょっと自信を深めている今日この頃です。

春場所総括

魁皇博之様 今場所勝ち越しまでの決まり手

  • 突き落とし(初日)
  • 寄り切り(2日目)
  • はたき込み(5日目)
  • はたき込み(6日目)
  • 上手投げ(7日目)
  • はたき込み(11日目)
  • 突き落とし(12日目)
  • 突き落とし(14日目勝ち越し)

上手投げはまあいいとして、2日目の寄り切りが余計でした。ベテランの旭天鵬相手に、ついつい前に出る悪い癖が出てしまいました。
来場所は是非、今場所以上に内容を濃くし、はたき込みと突き落としで8つ揃えて大関たるものの何たるかについて把瑠都に教えてやって頂きたいと思います。今場所もお疲れ様でした。