Zoellick、次期世銀総裁へ

KSGのOBであるRobert Zoellickが次期世銀総裁に指名された。ハーバード出身者には珍しい完全な共和党であるが、その秀才ぶりは在学中から有名だったらしい。押し出しやカリスマでのし上がるのではなく、アメリカ人には珍しい理詰めと調整で勝負するタイプと聞いた。ネオコン人脈にも近いが、共和党内では穏健派という位置付けで国際的な信頼も厚い。
思想・経験・能力、どれを取っても世銀総裁としての資質は少なくともWolfowitzとはとても比べものにならない。世銀の現在の方向性とWolfensonの成功を考えると、もう少しprivate sectorの経験があるに越したことはないが、世銀が少なくとも現況より良い方向に向かうことは決まったようなものだろう。
通商代表時代の彼の仕事ぶりは一日本人としては決してありがたいものではなかったが、人脈が全ての世銀であるし、Kennedy School出身の真っ当な人間が総裁になるというのは素直に喜ばしいニュースだ。また、総裁をアメリカ人から出し続けることに反発もあるようだが、日本もADBの総裁ポストは死守する必要があり、最後までWolfowitzを支持し続けた以上は世銀人事でもこのままアメリカと心中すべきだろう。