パット・メセニー/ブラッド・メルドーコンサート

先日取り上げたメセニー・メルドーコラボCDの第二弾(デュオ中心の一枚目に対してこちらはタイトル通りカルテット中心)を先に購入して聴いてみて、「むぅ。一枚目に比べるとちょっとつまんないかなー」という印象を抱いてから向かったコンサートだったが、全くの杞憂に終わった。
演奏は基本的にこれら二枚のアルバムから。Unrequitedから始まって、Make Peace、Legend、Ring of Life、A Night Away、メセニー専用42弦ピカソギターを使ってのThe Sound of Waterなどなど、中休みなしで約2時間半ぶっ通し。まず、アルバムに比べると、とにかくメルドーの曲であってもメセニーらしいソロがふんだんに出ていた。一方のメルドーも、broadmindはおととしのThanksgivingにVillage Vanguard@NYでトリオの演奏を聴いたことがあるのだが、「メルドーてめぇ!あの時は手を抜いてやがったな!」としか言いようのない気合の入ったソロを連発。
CD評でも書いた通り、このコラボの価値はメセニーをフュージョン界から呼び戻したことにあると思っていたが、もう一つの重要なシナジーはメセニーのアドリブ力がジャズピアニストとしてのメルドーを大いに刺激していることではないかと感じた。音楽作りのレベルだけでなく、演奏者としてのメルドーを目覚めさせているということだ。これはCDだけではわからなかった。やはりライブだとメセニーのテクニックと存在感は圧倒的で、CDだとむしろ主導権を握っているかに見えたメルドーが(Village Vanguardでは一瞬しか見せてくれなかった)強面なソロを必死こいて連発してついて行く。このカルテット、間違いなく超良質のジャズカルテットである。いやあ堪能しますた。
しかし不満もあって、その最大のものは会場のセッティングというか、ピアノの音は超硬いし調律ちゃんとできてないし・・・。メセニーのギターもアコースティックでは音割れるんじゃないかみたいな音量調節だったし、ギターシンセでは音がこもりまくりだった。そこまで音響マニアではないのですぐに慣れてしまったが、最初はかなりずっコケた。日本だったら○○市民会館とかだってもっとちゃんと準備するだろうになぁ。