ソマリア情勢が熱い

報道によれば、エチオピア軍・ソマリア暫定政府軍の合同部隊がいよいよイスラーム法廷の支配する首都モガディシオに迫っている模様。
しかし、内戦前は大ソマリ主義を言わばアイデンティティとしていたイスラーム国家であるソマリアで、その大ソマリ主義実現の邪魔者であるエチオピアと手を組むのみならず積極的に介入を招くというのも「敵の敵は味方」状態なのだろうがすごい話である。仮にイスラーム法廷を駆逐できても、果たして新国家建設において国民の幅広い支持が得られるのだろうか?エチオピアも、無政府状態ソマリアから流入する反政府勢力やイスラーム法廷の後ろに見え隠れするエリトリアが問題なのだろうが、ただでさえ最貧国の一つでありながらエリトリアとの国境紛争を抱えるこの国がこの上戦線を拡大しようというのである。しかもキリスト教徒の多いエチオピアソマリアに直接介入すれば、キリスト教イスラームという図式に巻き込まれて自身もテロの脅威にさらされるリスクもある。
友人Aと2年前にエチオピアを旅行した際は「次はソマリアに行きたい」と話したものだが、なかなか良い方向に向かう気配がない*1

*1:ただし、ソマリアでも北部のソマリランドは比較的安定しており、実質的に別の国となっており旅行も可能