エリザベス女王杯回顧―先日の秋天は武豊の白鳥の歌
これ、もう潮時でしょう。
確かに、まだ押しも押されぬリーディングジョッキーだけど、マックイーンでやらかして、ノーリーズンでも落っこちて、今日で三回目。あと、ディープインパクトの皐月賞でも落ちかけてた。あそこで落ちなかったことで、彼は三冠ジョッキーになれてキャリアを汚さずにすんだ。
それだけたくさんGIで人気馬に乗ってるということでもあり、ポカを補って余りある結果をこれまでは残してきたわけだけど、ここ最近は大レースでの結果が少なく、今日の落馬を見てもポカだけが残ってる感じ。そんな中での先日の天皇賞。健在ぶりを見せつけたという解釈もできるかもしれないが、ひょっとすると武豊のキャリアを振り返ったときに「名騎乗・名勝負」として出せるのはあれが最後になるんじゃないか。F1関連のエントリでも書いたが、今年三浦皇成がデビューしたのは決して偶然ではない。これであと1〜2年のうちに三浦がGIで勝てるようになったら、武豊が競馬界を背負っていく時代は終わりだろう。
別に、「時代」が終わっても引退しなきゃいけないわけじゃない。単に「上手いジョッキー」あるいは「ここ一番で違いを見せつけるベテラン」として乗り続けることはあと10年でも15年でもできると思う。しかし、武豊は岡部とはタイプが違う。騎手としては良いイメージのまま、トップのまま引退した方がいい。次のディープインパクトが現れた時に今度こそ皐月賞で落馬して晩節を汚すよりは、早く調教師として大成して自ら次のディープインパクトの管理調教師となり、若手を乗せてやった方が競馬界のためだ。今日の落馬を見て、かなり真剣にそう思った。