さよならアメリカ資本主義

JPモルガンベア・スターンズ買収価格を引き上げ」という、流れ的には「やっぱり?」という印象を抱きつつも、資本規律の観点からは最強レベルに意味不明のニュースが飛び込んできた。JPモルガンはベア株主の不満を恐れたのだろうが、そもそもは「実質破綻」と判断されたからこそのこの価格付けだったはずで、もし1株10ドルが本当に適正価格だったのなら、流動性供給でしのいで救済合併劇は最初から必要なかったんじゃないかと言いたくなる。恐らくそうではなかったはずで、財務情報の開示が充分に機能していなかったり投資家の行動が合理的でなかったりしたために「破綻」直前まで1株70ドルもの値が付いていたのではないか。だとしたら、株主にはお気の毒だが自分で責任を取って頂くしかない、というのが資本主義の正道だろう。
原理原則よりも現実への即応、というのがアメリカの強みではあるにしても、「あー、結局救済しちゃうのね。さすがに二重基準だね」と冷ややかな視線で見たくなる。しかも「市場も好感」とか言っちゃってバカみたい。お前ら、政府なんていらないんじゃなかったのかよ。自己責任と資本規律はどこ行っちゃったんだよ。大手もう一つくらい逝っちゃった方がいいんジャマイカ?なんて半ば本気で思っちゃう今日この頃なのだ!