副総裁

好みの話から始めて申し訳ないですが、西村先生ははっきり言って大好きです。適当そうにしゃべるが道を踏み外さない。「余裕ありげな態度を見せてるけど、何かをすることを決して諦めてない大人」は大好きです。
その辺、broadmindの独断と偏見によれば、やっぱり見るからにギラギラし過ぎの前の副総裁候補のI先生とか、元々は非常に真面目な学者さんだったのに最近は専門外の政府会議に引っ張りだこで日本経済学界の重鎮である師匠のU先生に「魂を売った」と激怒されたらしい某Y先生とか、いくらテキトーはテキトーでもプライベートの脇が甘すぎてその並外れた力量にも関わらずとうとう今回副総裁候補に指名されなかった某U先生とかとは一線を画していると思うのです。
能力という意味でも、(i)彼はYaleでPh.Dを取得しているれっきとした本物の経済学者であり、(ii)元々理論から出発しているものの、経済統計の専門家でもあり、(iii)経済学の考え方から外れずに独創的な政策提言を度々行ってきたことがあり、(iv)審議委員経験者であり、(v)プレゼンテーションが上手い、ということで非常に適任と思います。マーケットの信任はわかりませんが、最低限、審議委員経験者なので学者とはいえあまりに突拍子もないことはしないだろう、という安心感は与えられると思います。
与野党双方のバカさ加減はもう学界から財界から金融界からマスコミに至るまでみんなが言ったり書いたりしているので屋上屋を重ねる必要はないと思いますが、何はともあれ当面、白川・西村体制ができたことは個人的には非常に安心しました。なお、さらなる独断と偏見を言えば、白川氏に何ら文句はありませんが、日銀は平野理事は残しておくべきだったと思います。日銀の人事慣行に詳しくはないのですが、今後もたすきがけが続いたら、(副)総裁候補にはなりうるのでしょうか。


(追記)
昨日のお約束のチベットですが、やはりテーマが重過ぎてなかなか書けません。broadmindが訪問した2000年時点ですら、人民が続々と植民している状態だったので、それなりの文化的独自性を保ちつつも、(政治的な単位という意味での)民族としては緩慢な死を待つのみかと思っていました。だから、2008年現在、強大化する一方の北京を相手にまだこれだけの騒乱を起こす底力が残っていたということには驚嘆しています。経済的な面からは「投資先」としての中国に影を投げかけるし、政治的な面からは「日本としてどういう中国を望むのか」という大局からの議論が必要になるでしょう。「歴史」と「(狭義の)軍事的脅威」ばかりが対中関係ではないわけです。
他にも経済的自由と政治的自由とか、なんぼなんでも中国が国民国家のフリをするな(藁)とか、色々と言いたいことはあるのですがどうにもまとまらないのでまたいずれ。