ヴァイス・プレジデント 島耕作

島耕作はついに専務になるらしいという記事を見た。
前々から思っていることだが、島耕作シリーズというのは偉大な「サラリーマン妄想マンガ」だと思う。組織と個人の板挟みになりながらうまいこと自分の人間性は捨てずにしかも仕事は成功に導く。家庭の雑事に縛られない自由な身分でありながら寂しい中年男ではなく、バツイチでちゃっかり娘がいて意外と父娘関係は悪くなかったりなんかして。しかも、世界を股にかけて活躍しながら、どこに行っても女にモテる。紳士然として良識人ぶった態度を取るものの結局はやることはやるのであるが、不思議と問題は起こさず、これまたどこでも仕事を成功させてついには取締役、と。要するに青春スポ根マンガのサラリーマン編ということだろう。
しかし、会社勤務の経験がありながら常務と専務のどっちが偉いのかもよくわからないbroadmindにとってはどうもピンとこないのである。ふぇぇこういうもんですかねぇ、という感じで。やっぱり普通に会社勤めしてる人にとっては、ああいうメーカーの風景が「こんな風に仕事人生を送れたらいいなぁ」という最大公約数ということなのだろうか。つまり、自分の環境に近ければ感情移入できるのかな?

ということで、broadmindなりの「島耕作」を考えてみることにするww


「ヴァイス・プレジデント島耕作 第1巻」
自分の保身に汲々として不正行為に手を染める上司ばかりの銀行に嫌気が差し、外資系証券会社に転職してきた島。そこで彼が見たものは、アニマルのようなエクスパット、倫理観のかけらもない生え抜きVP、まさに生き馬の目を抜く世界であった。利益のためなら何をしてもいいのか?若手社員はみんな使い捨てなのか?そもそも俺はカラーシャツすら持っていない・・・!自分より高級なスーツを身にまとう、顔色の悪いアナリストを見ながら島の心は痛むが、その島にもノルマの嵐が容赦なく襲いかかる。結果が出ずプレッシャーで自分を見失いかけた島を、ヘッドハントしたMDが食事に誘う。激励か?最後通牒か?疑心暗鬼の島をよそに、MDはかつての自分を語り始める・・・

「ヴァイス・プレジデント島耕作 第2巻」
リストラ候補軍団の島のラインが仕掛けた乾坤一擲のピッチが嵌り、島の誠実さも功を奏してついに初のビッグ・ディール獲得が目前に迫る。そこに横槍を入れてきたコンペティターのチームを率いるMDは島のかつての同期だった。彼のあまりの変貌ぶりと強引な手法に衝撃を受けながらも、自分のやり方は間違っていないと深夜のオフィスで鏡の中の自分に言い聞かせる島。一方、社内では因業な生え抜きVPがディールの主導権を島から奪おうと画策する・・・。まさに前門の虎、後門の狼!苦境に立たされた島に、美人VPが意外な条件を持ちかける。果たして島の返答は?そして彼はこのディールを無事エグゼキュートすることができるのか!?運命のプレゼンが迫る!

(中略)

「マネージング・ディレクター島耕作 第1巻」
ついにMDに昇格した島。高給を取りながら質素な吉祥寺(仮)のマンションに住み続け、若手の面倒見も良い島はアナリスト、アソシエイトの憧れの的だ。しかしそんな新人MD島にバブル崩壊の煽りを受けたNY本部から非情のリストラ指令が下る。雰囲気を察してすり寄って来るかつての敵に嫌悪感を覚えながらも決断を迫られる島。ライバルのクビを切ればそれでいいのか?実力本位で泣いて馬謖を斬るのか?そして彼を慕う若手アナ・アソの運命は・・・?苦悩の中、VP時代から苦楽を共にした秘書とついに一夜を過ごした島は、着慣れないカフスと高級スーツに身を包んで翌朝部下全員をミーティングルームに呼び出す。一体島の真意は?

(中略)

「在日代表島耕作 第2巻」
順調に拡大を続ける島の会社に匿名電話が入る。「お宅は金融庁に狙われている」一笑に付す島。しかしそんな島を嘲笑うかのように予告通り検査通告が届く。しかも、会社に現れた金融庁の辣腕検査官は島のかつての恋人だった・・・。「なぜ、うちが」動揺する島をよそに、彼女は次々と「不正行為」を暴き、あるいは作り出していく。業務停止命令は必至の状況の中、焦燥した島の携帯が鳴る・・・電話の主は悪魔の囁きか、はたまた天使の救いか!?国家権力相手に島が打つ逆転の秘策とは?


あ、これ読むわ、間違いなく(笑)
やっぱり身近さというか実感の問題かぁ。でもこれ、一般向けには受けないだろうなぁ・・・しかも場面や題材を変えても基本的な構成がワンパターン。原作に忠実に移植したつもりなのだが(爆)