インドは南から

というのはインドに来る以前から知識ベースで持っていた仮説だったのだが、やっぱりこれは正しいんじゃないだろうか。空港からタクシー(白タクですらない)を拾って市内に向かったまま行方不明になって数日後に遺体で見付かったとか宿に強盗が押し入って窓から転落して死んだとか日本人もグルになっていて金品を脅し取る詐欺グループが暗躍してるとか、そういうインドに関してよく聞く怖い話というのはどれもこれもデリーと北部インド。ここチェンナイにいる限り、どう考えてもそういう事件に巻き込まれる感じはしない。オートリクシャーの運ちゃんも多少はボッてくるが、その程度もたかが知れてる(せいぜい2割3割増)し、こちらが相場を知っていればすぐに値段も下がる。街を歩いてもすぐに何だかんだと人が寄ってくることもない。モロッコでの交渉と客引きのあまりのウザさに比べると天国のようなところだ。
まあ、「しんどい旅行をしてこそインド」という向きには、南インドでぬるま湯に浸かっているのなんか真のインドじゃない!ということになってしまうのだろうが、インドに来ていきなりインドが嫌になってしまう人というのはたいがいデリーあたりから入って悲惨な思いをしたケースが多いのではないだろうか。チェンナイはとりあえずそんなに難易度は高くない。インド入門編として悪くない玄関口のように思う。