ガルブレイス死去

ガルブレイスが亡くなった。享年97歳の大往生。
ガルブレイスは経済学は社会科学でなければならないという信念を持っていた。ヴェヴレンからの流れをくむ「元祖」制度派経済学の雄である。今、訃報を聞いても「でも、ガルブレイスなんて本当の経済学者じゃないしなぁ」という印象を抱く経済学者が多いのではないか?それは、現在の経済学が社会科学でなくなっている証左である。クラスメートにも、コアの授業は理論ばっか計算ばっかと文句を言いながら、一方で(近代)経済学以外の方法論に拒否反応を示す輩が非常に多い。「ケースをもっとやれ」って、社会を分析する枠組みもロクに持たないままに口先だけのエセ政策科学でもやるつもりなのだろうか。
broadmindはガルブレイスや(毛色は違うが、経済学は社会科学でなければならないという信念を持っているという意味において)ハーシュマンが好きだ。開発に携わろうというような人間は、たとえ実務家であっても、少なくとも自分が社会に対してどのような見方を持っているのか、ということに自覚的であるべきだ。