時の流れ、歴史の近さ

時間の感覚というのは言うまでもなく相対的なもので、同じ期間でも幼い頃の出来事の方がより長く、遠くに思えるものである。
それにしても、シンボリルドルフが三冠を達成してからナリタブライアンが達成するまでが10年間であったのに対し、ナリタブライアンから現在までにすでに11年というのは、全くもって信じられないような気がする。ルドルフ−ブライアンよりも長い時間が経過してしまったということだ。三冠馬即最強馬ではないが、やはりクラシックは世代限定ということがあるので、三冠馬の誕生というのはその「年」の存在を強烈に印象付ける。くしくも11年前はセナが事故死した年でもある。強烈過ぎて、記憶も鮮明なわけだ。歳を取って感受性も衰えてくる中で、これ以上の印象的な年はまた現れるのだろうか?


さて、11年前、ナリタブライアンは秋初戦を勝つことができなかった。ブライアンはデビュー当初は結構負けているので、そこで負けたからキャリアの大きな傷になったとかいうことはなかったが、それにしても朝日杯からダービーまでの勝ちっぷりが圧倒的だったので、スターマンに交わされた瞬間は穴党のbroadmindもかなり驚いたものである。
まあ無敗へのこだわりとか、休養明けの調整方法とかは馬主や調教師の方針もあるので、一概に比較はできない。しかし、ナリタブライアンは間違いなく歴史に残る化け物であったが、それでも秋初戦はスターマン(という、歴史に残りそうにもない程度の馬)に負けた。それほどまでに競馬は微妙であり調整は難しく連勝を続けるのは奇跡に近い。しかしついに、そうした「常識」と無縁という意味においてはナリタブライアンどころかシンボリルドルフ以来21年ぶりと言っても過言ではない馬が現れた。ディープインパクト
broadmindは自分が競馬を始めてからの最強馬を三頭挙げろと言われたら、エルコンドルパサートウカイテイオーアグネスタキオンと答えるが、好むと好まざるとに関わらず、何をどう考えてもこのうちの一頭は入れ替えなくてはなるまい(そもそもこの三頭に同意する人も少ないだろうが(笑))。そう考えてみると、変な選挙があって、三冠馬が誕生しそうで、しかも留学してしまったためにそのどちらの現場にも居合わせることができなくて、アロンソが初めてチャンピオンに(事故死でもしない限りこれっきりということはあり得ないだろう)なって、ついでに結婚までした2005年は、やはり後になって振り返ると印象的な年になるのかもしれない。
菊花賞が楽しみだ。