実家近くのスーパーで買い物

近所のスーパーに久しぶりに買い物に行った。安いワインの品揃えが豊富というのが主な動機だったわけだが(笑)散歩がてら実家の近くを歩くと懐かしさがこみあげると同時に周囲の変化を実感する。
スーパーの隣には巨大なマンションが建った。タクシー会社の駐車場もマンションになった。誰が入るのかわからない怪しげなサウナもいつの間にか姿を消した。小さい頃はオート三輪(!)がまだ現役だった近所の建材屋、郵便局の移転後は某宗教団体系の薬局になり、ミニカー専門店なんていうマニアックな店も途中に出来てたりする。そして、スーパー自体も地階の家電売場はなくなり本屋は二階に移動しワインの品揃えを充実させながら新興の競合相手との競争をしぶとく生き残っている。
小さい頃から母の買い物にくっついて毎日のように通っていた道である。母の手に引かれて歩いた記憶と風景が甦る。つい去年まではずっと実家に住んでいて、今も近所みたいなものなのに、この景色、長らく忘れていた。いや、むしろあまりに日常的なものには人はなかなか感慨を覚えない。急にこんなに感傷的になったのは、いよいよ28年間暮らしたこの街を本格的に離れる日が近づいてきたからなのかもしれない。
自分のように大都市で生まれ育った人間には「故郷」という感覚は元来、希薄なものだと思っていた。しかし、いくら都市だろうと、次々と変わり行くものだろうと、この街こそ我が故郷。これまで育ててくれたこの街と家族にあらためて感謝。