天皇賞予想

一番人気のアサクサキングスは、ダービーで◎を打って以来、「忘れた頃にまた大穴を開ける馬」と思ってタイミングを待っていたが、意に反して(?)その後菊花賞を制覇、順調に有力ステイヤーとしてキャリアを積んでおり、穴で狙う馬ではなくなってしまった。そのアサクサキングスだが、マイルのデビュー戦を除くとキャリア最速の上がりは去年のJCで記録した34.4である。これだけ見ると悪くはない数字だが、連対したレースでいうと、2000m以上では件のダービーの34.9が最速で、あとは35秒以上。JCでも同馬より前にいたスクリーンヒーローウオッカの方が速い上がりを記録しており、要は「上がりのかかるレース」でないと来ない馬だといえる。また、ごちゃつく流れにも弱い。阪神大賞典は強い内容だったが、「最近の京都長距離に典型的な展開」からはかけ離れた条件下であり、スローとなった場合は馬券にならない可能性が高い。
アサクサキングスが勝った菊花賞でハナ差の勝負を演じたアルナスライン。まさに菊花賞でこの二頭の組み合わせとなったことが示唆しているように、イメージは異なるが「来るレース」のパターンはアサクサとやや似ている。ここ二走を見ても、ホクトスルタンが掛かり気味に引っ張った日経賞ではバテずに伸びる強さを見せたものの、前半61.5だったAJCCではネヴァプション、エアシェイディあたりに置いていかれる結果となった。ハイペースになれば再びアサクサキングスとの組み合わせも大いに考えられるが、スローとなった場合は不利。とはいえ、58キロを背負ったアル共でも3着には来ており、アサクサほどは展開を問わない。
他、10倍前後以下の馬の中では、ジャガーメイルドリームジャーニーモンテクリスエスは間違いなくいらないと思われる。一番難しいのはスクリーンヒーローの取捨。京都コース未経験は気になるが、ノリらしい2着はあるか。
「京都長距離」を踏まえてフルゲート18頭を見渡すと、不気味な馬が何頭かいる。
まず、テイエムプリキュアホクトスルタンの先行勢でしょっぱいレースになる可能性はそれなりにある。プリキュアに別定GIは厳しいが、阪神・重馬場・ハイペースの前走よりは条件の好転が望める。いくら先手を取るためとはいえ、後半1マイルが全て12.8以上という馬場で最初の2F目を11.7。競ってくる馬もいなかったので、ここをコンマ5秒くらいゆっくり入る余裕が荻野にあれば阪神大賞典の結果もかなり違ったはず。ホクトスルタンも取捨が難しい馬だが、休み明けの前走は掛かり気味の逃げであり、今回は大逃げのプリキュアを眺めて事実上の単騎で運び、最後交わすようなレースも想像できる。
次に、古豪のデルタブルース。一年以上の休み明けでプリキュアの2番手から6着。まともなローテで使えるのは久々で、8歳とはいえ条件は大きく好転し上積みも見込める。この馬も切れる脚のない馬だが、人気もなく前々での競馬も可能なのが有利な点。岩田が何か仕掛けて来そうな予感。
新興勢力からはゼンノグッドウッド。3年半ぶりの芝を使い始めて三連勝。前走、後方からの上がり33.6での差し切りは出色で、「まさかの幸四郎」がここで炸裂か。
やや点数が増えるが、三連単で6,9,10,13→4,6,9,1013→4,6,9,13のフォーメーション。