有馬記念予想

海外挑戦の凱旋門賞を除き、ディープインパクト単勝は1.3倍以上ついたことがない。前日発売時点での数字を逐一チェックしていないので、最終的には今回も1.1〜1.2倍に落ち着くのかもしれないが、「ラストラン」であること以外にさしたる不安材料がない今回の前日オッズが1.4倍というのは奇異な印象を受けるほどだ。
ちなみに、ディープの単勝をここまで凱旋門賞を含めて13戦、例えば100円ずつ買い続けると、1300円投資の1250円回収となり、「マイナス50円」である。これを近年の名馬たちと比較すると、テイエムオペラオーだと2600円投資の4330円回収でプラス1730円となるのを筆頭に、グラスワンダーエルコンドルパサーも明確にプラス回収であり、最も極端なナリタブライアンの場合でも2100円投資の2080円回収でマイナス20円となる。この数字からわかることは、オッズはファンが形成するものだとはいえ、ディープは「馬券購入を多少なりともギャンブルという側面から見る人間にとっては、あまりに人気が被りすぎて極めて扱いづらい馬だ」ということである。
掲示板等を見ると、「強いものは強いのだからオッズに左右されるのはバカ」というポリシーのファンも多くいるようだが、彼らはリスクとリターンという概念を理解していない人達だと思う(まあ、本当に理解してたら競馬自体やらないんだけどさw)。個々のレースを見ると、たいていの場合はディープが圧勝するので「買わなかった人間はバカ」ということになるが、かなりレースや相手を上手に選んでないと、オッズが低すぎるためにディープを買っていたところで通算で勝つのは難しい。要は、純粋に馬券購入の視点からすると、ディープの出るレースというのは控除率そのままの無裁定市場のような(少なくともそう見える)世界で、あまり食指が動かないわけである。
実際問題として、一つのレースとして見た場合、今回の有馬も「見(ケン)」というのが妥当な選択肢だと思われるが、まあ年末のお祭り行事であるので、一競馬ファンとして無粋を承知でこの異常なオッズにお付き合いするというのが正しい姿勢ということになるだろうか。
そうはいっても、将来的には毎年この時期になると同じ自慢話をするイヤな競馬オヤジになると予感されるbroadmindのことである、有馬記念と聞いて穴馬を探さないわけにはいかない。今年は13番ウインジェネラーレから行こうと思う。はっきり言ってディープ以外は何が来てもおかしくはなく、三歳勢もいつ馬群に沈んでもおかしくない面々だし、コスモバルクトウショウナイトといったあたりも面白いが、それだったら久々にベスト条件となるウインジェネラーレも相手候補としては差のない位置にいる。ディープ1着、ウイン2/3着づけの三連単と、万が一のことを考えてウインジェネラーレから馬連も少し買っておく。