ジャパンカップ回顧

凱旋門賞の際に(かつ薬物問題より前に)同じことを書いたが、もう一度言う。馬は最強。問題は関係者、主催者、ついでにマスコミと生産界も。要するに、馬を取り巻く人間達が揃いも揃ってカス。これに尽きる。
だいたい、何でディープインパクトがJCに出走する必要があるのかわからない。
最強の証明?どうしても世界最強を証明したいのだったら、現役続行で来年KJか凱旋門賞に再挑戦する以外にない。すでに古馬になってからも2200の宝塚と3200の天皇賞を勝っているのであり、競走成績のためにこれ以上国内で走る意味はない。ハーツとの決着?偏った2ちゃんねらーならともかく、「ハーツともう一回走ったかどうか」なんてプロが興味を持つと(したがって種牡馬価値に影響を与えると)本気で思っているのだろうか?賞金?50億からのシンジケートの前に、どこにリスクを負ってまでJCの賞金を取りに行く意味があるのか。だいいち、本当にカネ目当てなら、無理してでも天皇賞→JC→有馬のボーナスを狙うべきであり、単純な顔見世なら有馬記念にのみ出走すればよく、外国から2頭しか参戦しない東京2400のJCに出走する意味は何なのか?
要はJRAの意向なわけだろう。ディープが出ないと売り上げが激減する。そういう状況になったのは自身のディープ頼みのマーケティング戦略のせいだというのに、「出てくれないと困る」から出走してもらった、そういう様子が垣間見える。凱旋門賞直行への原因となった宝塚出走も同じことである。ついでに言えば、結局国内で種牡馬になるのだから、海外からの厳しい眼に晒されるわけではなく、ちょっとくらい競走成績に瑕がついても価値が下がるわけではないという甘えた社台中心の生産市場という事情もある(生産界全体は厳しい状況にあるが。為念)。
そしてそれを批判どころかほとんど苦言もなくありがたがるマスコミ。無謀なローテ、疑問符の付く騎乗での敗退に、極めつけは世界に恥をさらした投薬ミスでの失格、そういったものが国内出走でなぜかチャラになる理解不能の精神構造。お前らそんなにJRAが怖いんか。取材先とのもたれ合いはマスコミの常としても、他のスポーツではここまでひどくない。戦争中の朝日同然の報道っぷり。なお、ほとんど唯一の例外は日経新聞野元賢一記者である。彼の競馬コラムは日経の本業である経済関連を差し置いて日経で最もクオリティの高い評論の一つと言っていい。日経における競馬の重要度の低さがなせる業ではあるだろうが、日本競馬界に対する特筆すべき貢献だ。
言っておくが、別にディープの敗戦を望んだわけではない。「馬は悪くない」というフレーズをよく見かける。その通り。悪いのは馬ではなく人間だから総括しろwwと言ってるだけの話。条件を考えれば見事な勝利で、ディープの強さを再確認した。しかし、全てはもう遅いのである。まともな競馬ファンだったら、今さらこんなJC勝ったところで嬉しいわけがないだろう!!寄ってたかって日本競馬史上最大のチャンスをフイにしたこのカスどもが!!!