さらば、戦友

パスポートを、更新した。


リアル出張族は10年パスポートを増補してもページが足りなくなり10年以内に更新する(中には、10年保たないことがわかっているので最初から5年パスポートにする人もいる)のが普通なので、時間切れまで10年保ったということ自体、一般的に言えば大したことではない証左だ。
そうは言っても、数えてみると日本の出入国スタンプが約40個、現在住んでいるフィリピンのものが30近くある。さらに2年間住んだアメリカのビザに入国スタンプ8つ、出張でよく訪問するアジア諸国のスタンプに加えて果てはアルバ、モロッコエチオピアなんてのまであり、スタンプを見る度にそれぞれの旅行の様々な思い出が喚起される。それに、ちっともまっすぐにスタンプを押さないフィリピンの入管、いきなり「追記」のページに入国スタンプを押しやがったアメリカの入管、それと比べてスタンプのジャングルから必ず適切なスペースを迅速に探し出し、ほぼ確実に対応する出国スタンプの隣に入国スタンプを押す日本の入管、とこれを見るだけでお国柄がしのばれるというものだ。
こうなってくるとパスポートというのは旅行の必携品(当たり前だ)であることを超えて自分の旅行遍歴の象徴、いわば戦友みたいになってきて、なんだかこのパスポートを使わずに新しいまっさらなパスポートをこれから使うのだ、というのが信じられない気がしてくる。とはいえ、パスポートには有効期限がある一方でtravel must go onなので、また新しいパスポートに自分の色を乗せていく他ない。残念なのは、最近は出張と一時帰国ばかりなのでスタンプのバリエーションが増えないことだ。エチオピアやアルバのスタンプがこの新しいパスポートに押される可能性はほぼ皆無だろう。それが自分の30代の現実ということで、仕方あるまい。


さてここで問題です。broadmindはこれまでに約30カ国渡航していますが、渡航したにも関わらずパスポートにスタンプが押されていない国が2つあります。1つはイタリアで、これは単にEU成立後は地域内の移動が自由化されているので最初にEU域内に入る国(僕の場合はドイツ)のスタンプが押されたわけですが、ヨーロッパ以外でもパスポートに入国スタンプが押されていない国がもう1つあります。それはどこでしょうか?