三冠から三冠へ。

ナムラコクオーがついに引退だそうである。同期のオースミレパードはまだ現役で頑張っているのでナリタブライアン世代「最後の」現役競走馬ではないが、ナリタブライアンという三冠馬が誕生したクラシック路線を脇役ながらも盛り上げた馬が、度重なる故障と長期休養を挟みながらも11年後の次の三冠馬誕生まで現役を続行していたということは大いに感慨深い。
何よりも、中央競馬とは比べものにならないほど劣悪な環境や賞金体系の下で、中央の調教師も馬主も見捨てた故障持ちの馬を懸命に調教し出走させ結果を残すことで同馬の「商品価値」を保ってきた地方競馬関係者の努力と意地は賞賛されて然るべきだろう。苦しい台所事情ゆえどんな話題でもいいから盛り上がればいいというのも本音だろうが、本来はハルウララのようなただの駄馬ではなく、ナムラコクオーオースミレパードのようなエピソードでこそ地方競馬は盛り上がってほしいというのが関係者の偽らざる心境ではないだろうか(とbroadmindは思う)
中央時代のナムラコクオーと言えば上村騎手とのコンビが思い出される。当時は騎乗法についても発言についても批判の多かった上村だが、彼もまた大活躍とはいえないまでも、低迷期と眼病を克服してちょっとした味のある騎手へと成長した。同じく眼病持ちのbroadmindとしては今後さらなる活躍を期待して応援している。
なお、同馬は引退後は「乗馬」になるとのことであるが、行き先の牧場がはっきりしているので本当にそこで余生を送るということらしい。それもまた良いニュースである。